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定期的な外部階段の「健康診断」をお勧めするのは?

外部鉄骨の現状(鉄骨サビ度:★★★☆☆)
3階建ての戸建ての外部階段。外に露出した鉄骨は塗装に守られながらも徐々に酸化しサビが発生します。しかし、定期的な「鉄骨の健康診断」を行い、若いサビを早めに補強していけば、鉄骨階段はいつまでも現役の強度をキープします。

外部階段の「健康診断」内容:
定期的な鉄骨メンテナンスがされている外部階段でしたのでダメージは軽微。錆びで膨張した手すりの縦格子や、穴が空いた鋼板、腐食の進んだ段板、一部欠損のあるササラ桁など、強度ダウンを疑う鉄部だけを補修します。

この工事の相場費用について:
鉄骨の腐食ダメージの具合や工事条件がまちまちであるため、工事費用も現場ごとに異なります(現場調査が必要です)。お見積依頼等お気軽にお問合せください。

塗装工事のタイミングで鉄骨の健康診断を行う理由

建物の外部鉄骨

3階建ての戸建てで使用されている、外部階段のお手入れをしてきました。

今回の建物オーナー様は、定期的な塗装工事と同時に鉄骨の「健康診断」をされているので、大きな補強は必要ありませんでした。6年に一度程度が目安の塗装工事を行うタイミングで「健康診断(鉄部サビのチェック)」を行うのがベストです。

なぜかというと「足場」が外部階段を囲うことで、普段から見えない角度からも鉄骨ダメージを確認できるからです。

鉄骨サビが小規模なうちに補修して工事費用を抑える

鉄骨の溶接補修効果

「鉄骨の健康診断」の結果、今回の鉄骨修理は大きくわけて以下。

  • 蹴上板の補強
  • サビて膨張した手摺の交換
  • 腐食した踏み板の交換
  • ササラ桁の補強

どれも小さい規模の鉄部サビでしたので、工事費用も抑えることができます。順を追って解説してみます。

蹴上板の溶接補強を行う

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蹴上板の補強は写真のように溶接補修されます。サビた蹴上板に新たな鉄板を被せて溶接します。

サビによって穴があいたり、鉄板が劣化するなどの状況に応じて、鉄板を交換補修したり、溶接補強するなどの工事を行います。赤茶色になっているのが補強鉄板を溶接した部分です。

腐食した手摺や段板の交換を行う

錆びた段板や手摺だけを交換補修する

腐食した踏み板の交換とサビで膨張した手摺の交換をしました。赤茶色になっている部分がサビ補修箇所。サビで強度を失っている箇所だけを部分的に交換しています。

ササラ桁もしっかり補強して工事は終わり!

鉄骨階段のササラ桁の腐食穴

ササラ桁の補強を行います。写真は修理前の写真。

ササラ桁とは、鉄骨階段の両脇で踏み板と溶接されているサイド部分を指します。ここは踏み板との接点なので水が停滞しやすく、サビの発生が起こりやすいです。

ササラ桁は階段鉄骨の「屋台骨」でもあるので、この部分の健康状態は鉄骨階段の寿命に直結します。

ササラ桁の鉄板補強

サビて穴が空いた部分に鉄板を上から被せて溶接します。結果、ササラ桁のサビ穴は補修されて強度を取り戻します。

今回の鉄骨補修工事はサビのダメージが軽微な部分なものばかりだったので、工期も短く、工事費用も安くできました。定期的な「鉄骨の健康診断」をしていたおかげですね。

少し脱線。「隠ぺいされたサビ」と工事費用について

鉄骨階段

少し脱線しますが、鉄骨のサビ補修において厄介なのが「隠ぺい部のサビ」です。

なぜ厄介なのかというと、鉄骨の診断時はパネルや木板で覆われて見えない部分が存在するので、「解体しないとわからない、内部の腐食状況まで確認できないケース」があるからです。お見積を提示するときにはこのようなリスクもある程度は加味しますが限度がありますよね。

「このくらいの予算でなんとか対応します」というのが、サビ補修工事のお見積の実際なのです。

実際に工事が始まって解体などをして「あ・・ここもサビてダメになっているか・・」という発見も多々あります。これが「隠ぺい部のサビ」の恐ろしさです。

なぜこの話をしたのかというと、定期的な健康診断をしている鉄骨は「隠ぺい部のサビ」がほとんどなく、無駄のない工事見積が可能だからです。

「鉄骨の健康診断」は鉄骨の強度維持のため、また、大きな工事費用を抑えるためにも、塗装工事のときに一緒に確認してくださいね。