この記事をシェアする

階段踊り場の床鉄板の交換工事

この記事を読んでいただきたい方:
外部階段の踊り場鉄板が腐食で穴が空いているなどのトラブルへの補強工法を調べたい方向けの記事です。床鋼板を交換するときの注意点も合わせて解説しています。

踊り場の床鉄板

階段の踊り場の床が錆びて穴が空くトラブル

マンションやアパートには外部の鉄骨階段があることが多いです。生活階段として頻繁に利用されたり、非常時の避難階段として設置されている設備です。

腐食劣化で床鉄板に錆び穴が空いた

「階段の踊り場に使わている床板が錆びて穴が空いた」というトラブルのご相談をいただきました。錆び穴が空く原因は「純粋な経年劣化」であることが多いです。鉄骨階段の床板に使われる鉄板は厚みが3.2mmであることが多いのですが、表面が酸化(錆び腐食)することで厚みが薄くなり、最終的には穴が空きます。

参考:鉄板(鋼板)に関する解説
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8B%BC%E6%9D%BF

ちなみに、床鉄板にあらかじめ穴を空けていることもあります。「水抜き穴」と呼ばれます。床面に雨水が停滞しないようにするものですが効果としては一長一短です。もちろん劣化対策としても有効ですが、水抜き穴から鉄板が腐食していくこともあるので必要性としてケースバイケースだと思います。

床鋼板の交換工事の流れ

踊り場の床を撤去するイメージ1

階段を横から見た絵だと思ってください。(拙いスケッチですみません)赤い部分が問題の鉄板です。鉄骨階段はプラモデルのように板やパイプやH鋼で構成されているため、トラブルが起きた部分だけを交換することができます。そこで今回は「穴の空いた鉄板を交換する工事」で対処していきます。

踊り場の床を撤去するイメージ2

上のスケッチのように劣化した床鉄板を専門の工具を使って撤去します。撤去すると、床鉄板を支えている下地が露出するわけですが、このとき初めて下地フレームもひどい錆び損傷を受けていることが発覚しました。

踊り場の床鉄板の撤去後の下地フレーム

露出した床鉄板の下地。この状況は床鉄板を剥がしたときにしか見つからない貴重なタイミングです。下地フレームは腐食でボロボロになっていて、床鉄板よりも錆び穴が多く確認できます。お客様も「こうなっているのか・・」と驚かれていました。現状の下地フレームをそのまま使って新しい床鉄板を載せても強度リスクは残ったままなので、この機会に下地ごと交換します。

床鉄板の下地フレームを交換

床鉄板の下地フレームを交換しました。これで新しい床鉄板を載せても安全性を確保できます。

新しい床鉄板に交換完了

床鉄板の交換工事イメージ

踊り場鉄板および下地フレームの交換完了です。階段の踊り場は無事に延命されて、まだまだ現役の強度を取り戻せました。

床鉄板の交換。工事前と工事後

踊り場の床鉄板(工事前)

新しい床鉄板に交換完了

今回は、鉄骨階段の踊り場床鉄板の交換工事の流れを解説させていただきました。日常では確認することができない床下地フレームの状況もケアできて良かったです。

大きな鉄骨階段であっても、小さな鉄骨階段であっても錆びトラブルに対して簡単に「階段ごと交換」とはいかないものです。資金の問題や入居者様の問題があり現実的ではないですよね。こういうときは補修補強専門の鉄工所までお気軽にご相談ください

作業工程も同時に公開している参考ページ:鉄骨階段の「踊り場の交換」いたします

階段踊り場の現状(鉄骨サビ度:★★★★☆...

この記事をシェアする

横山鉄工所(鉄創庵)をフォローする