この記事を読んでいただきたい方:
隣地とのプライバシーを守るために、既存ブロック塀のまま高さを増したい。既存ブロック塀のまま目隠しフェンス設置したいと調べているオーナー様向けの記事です。
「お隣との境界にあるブロック塀が低くて、家の中が見えてしまう・・」
「ブロック塀に、後からフェンスを設置することはできる?」
「ブロック塀に目隠しフェンスを取り付けたいけど、安全性は大丈夫?」
「工事にはどれくらいの費用や日数がかかるの?」
このようなお悩みや疑問をお持ちのオーナー様。既存のブロック塀に目隠しフェンスを設置する工事の重要なポイントを、施工業者の視点から分かりやすく解説します。
まず結論。既存ブロック塀のまま、目隠しフェンスを増設することは可能です。しかし、この増設工事で大切なのは、土台となるブロック塀の強度です。
強度に問題がなければ、プライバシー確保や防犯対策、デザイン性の向上など多くのメリットを得られます。一方で、強度が不足している塀に無理に設置すると、フェンスの重みや風圧で倒壊する危険があり、大変危険です。
参考: ブロック塀の倒壊: 防災危機管理eカレッジ(消防庁)
まずは、増設工事が可能かどうか、業者による診断が不可欠です。
目次
なぜ目隠しフェンスが必要?よくあるお悩みとは
ご相談いただくきっかけは様々ですが、共通するのは「現在のブロック塀では解決できないお悩み」があることです。
- プライバシーの確保:
「お隣が更地になり、リビングが丸見えになってしまった」「庭での子供のプール遊びなど、視線が気になる・・」 - 防犯上の不安:
「塀が低すぎて誰でも乗り越えられそう」「逆に塀が高すぎて、一度侵入されると外から見えないのが心配」「もともとあった目隠しがボロボロになって交換したい」 - 見た目の改善:
「古いブロック塀の圧迫感をなくし、おしゃれな外観にしたい」 - 老朽化への対策:
「ブロック塀が古くなってきたので、補強も兼ねてリフォームしたい」
特に、上記の写真のように、地面から6段(高さ約1.2m)程度のブロック塀は、隣家や通行人から敷地内が簡単に見えてしまうため、プライバシー確保のためにフェンス設置を検討される方が多くいらっしゃいます。また、防犯面の心配からフェンス増設を検討される方もいらっしゃいます。
目隠しフェンス増設できるか、ブロックをチェック!
既存のブロック塀の上に、目隠しフェンスを増設するには、土台となるブロック塀の強度があることを確認する必要があります。
最終的には業者の調査が必要ですが、相談をする前にご自身でも、ブロック塀の健康状態をある程度チェックできます。以下の項目に当てはまる場合は、そのままフェンスを設置しても倒壊リスクが残ってしまう可能性があります。
- グラグラする:塀を手で掴んで押したり引いたりすると、揺れやぐらつきを感じる。
- ひび割れや欠けがある:ブロックの表面に亀裂が入っていたり、角が欠けていたりする。
- 控え壁がない:高さ1.2mを超える塀なのに、L字型に突き出た「控え壁」がない。
- 築年数が古い:建築基準法が改正される前の古いブロック塀は、内部の鉄筋が不足している可能性があります。
参考:ブロック塀等に係る建築基準法施行令の主な改正経過:文部科学省
これらのサインが見られる場合、フェンスを設置する前にブロック塀自体の補強や交換が必要になる可能性が高いです。
実践:ブロック塀に目隠しフェンスを後付け
ステップ1.ブロック塀上部の解体:
フェンスの支柱を強固に固定するため、既存ブロック塀の最上段を一度解体・撤去します。
ステップ2.鉄筋の挿入と土台作り:
既存のブロックに穴を開けて新しい鉄筋を差し込み、フェンス専用の新しい土台ブロックを設置します。理由は、目隠しフェンスの土台強度を確保するためです。この土台となる新ブロックに目隠しフェンスを施工して工事完了です。
ステップ3.目隠しフェンスの設置:
新しく作った土台ブロックにフェンスの支柱を立て、本体を取り付けて工事完了です。
これで、隣地からのプライバシー保護を達成できました。ちなみに、工期はフェンスの準備期間で1週間、現地の工事で3~4日程度です。
目隠しフェンス工事の費用は?
目隠しフェンスの工事費用は、施工環境、ブロック塀の現状、フェンスの種類や高さ、工事の規模(メーター数。長いほど割安)によって大きく変動するため、一概に「いくら」とは言えません。
あくまで参考としてですが、6Mのブロック塀の「上部解体および交換・鉄筋工事・目隠しフェンス設置」をした場合は、およそ20~25万円ほどが目安となります。(令和3年現在です。資材高騰が続いていますので費用相場は値上がりしていく傾向にあります)
まとめ:ブロック塀に目隠しフェンスをつけるには
ブロック塀への目隠しフェンス設置は、プライバシーを守り、住まいの見た目を向上させる効果的なリフォームです。しかし、その前提として「土台となるブロック塀の安全性」が確保されていなければなりません。
安易なDIYは、将来的な倒壊事故につながる恐れがあるので、生活を守るブロック塀の工事のことは弊社にお気軽にご相談ください。
要約Q&A
Q:今あるブロック塀に、後から目隠しフェンスを設置できる?
A:はい、設置可能です。ただし、土台となるブロック塀に十分な強度があることが条件となります。施工の可否については業者による確認が必要です
Q:なぜブロック塀の強度が重要なんですか?
A:強度が不足しているブロック塀にフェンスを設置すると、フェンス自体の重みや、台風などの強い風圧によってブロック塀ごと倒壊する危険があるためです
Q:工事の費用はどれくらいかかりますか?
A:費用については、既存ブロックの健康状態や、フェンスの種類、長さによって変動します(設置量が多いほど安くなる)。あくまで参考例ですが、長さ6mのブロック塀にフェンスを設置する場合、20~25万円前後が一つの目安となります(令和3年現在)。正確な金額は、調査結果をもとに見積を依頼してください
Q:工事には何日くらいかかりますか?
A:目安として、フェンス部材の準備に約1週間、現場での工事期間は3日~4日程度です
Q:危険なブロック塀の見分け方はありますか?
A:ご自身でできる簡単なチェックリストです。
・手で押すとグラグラ揺れる
・表面にひび割れがある
・高さ1.2mを超えているのに「控え壁」がない
上記に当てはまる場合は、フェンスを設置する前に準備工事(ブロック塀の部分交換など)が必要な可能性が高いです
Q:DIYでフェンスを設置しても大丈夫ですか?
A:安全性の確保が非常に難しいため、おすすめできません。倒壊のリスクを避けるためにも、信頼できる業者に依頼したほうが良いです
Q:フェンスを増設以外のブロック塀補強の方法は?
A:グラグラするブロック塀を、鉄骨で外部から支える補強方法があります