この記事でわかること:
・鉄骨階段や廊下が腐食するとどう危険なのか
・放置と補修でどれほど寿命が変わるか
・状況別に最適なメンテナンス方法がわかる
・専門業者に相談すべきタイミングを判断できる

目次
鉄骨階段・廊下の外部鉄骨の維持がなぜ重要か

外部階段や通路などの鉄骨設備は、日常を支える生活設備です。しかし、見た目のサビや塗装の剥がれは、単なる美観の問題ではありません。それは、内部腐食のサインです。
そのまま放置すると、階段や通路の強度が低下し、最悪の場合は落下事故にまでつながります。
参考:八王子のアパート階段崩落事故で建設会社元会長を書類送検:日経XTECH
特に屋外にある鉄骨は、雨水・紫外線・気温変化にさらされやすく、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。メンテナンス時期の理想としては、8年前後をオススメします。理由は鉄部塗膜の機能寿命が8年前後だからです。メンテナンスを放置すると、腐食が進み、居住者様の安全利用ができなくなって、最終的には人的被害につながります。
自分でできる、鉄骨錆びのチェックリスト

鉄骨メンテナンスの第一歩は、「現状の見える化」です。以下の簡易チェックを行い、劣化度を確認しましょう。
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塗装が剥がれて下地の鉄が見えている(下地の鉄が錆びている)
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表面にサビ粉(赤茶色)が浮いている
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手すりを揺らすとグラグラする、階段や廊下がわずかに揺れる
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通路や階段のモルタル床にヒビ(クラック)がある
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通路を下から見上げたところにある凸凹の鉄板が錆びている
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鉄柱の根元が錆びている
もし複数該当するなら、すでに内部腐食が進行している可能性があります。
腐食は目視できない箇所から進むため、「見た目より深刻」なケースも多いのです。
また、鉄骨設備にもいろいろな作り方があり、状況別にメンテナンス方法があります。鉄骨の構造や床面の仕上げ、建物の残存年数によって補修方法が異なります。
では、下記より代表的なケースごとに最適な方法を紹介します。
資材で判断:床面が鉄板なら 塗装メンテナンスで対応

鉄骨の床面が鉄板製なら、塗装が最も効果的な防錆対策です。塗膜が“皮膜”として鉄を守り、雨水や酸素を遮断します。
8年前後を目安に再塗装することで、鉄骨の寿命を大幅に延ばせます。すでにサビが出ている場合は、ケレン(サビ除去)+防錆塗装+鉄部塗膜をしておけば安心です。
資材で判断:床がモルタルなら 耐水作業がポイント

モルタル床のひび割れは、鉄骨腐食の入口。
内部に雨水が入り、見えない場所や、廊下デッキプレートが錆び始めます。

雨水に対して、表面だけの補修(シールやパテ)は一時的な対処にすぎません。長期的には、耐水性能の高い長尺シート(タキストロンなど)で床面全体を覆うことで、浸水経路を物理的に消していきます。
参考:長尺シート タキロン タキストロン:タキロンマテックス
維持年数で判断:数年の維持?10年前後の維持?

鉄骨はサビているけど、建物自体がもう残り数年しか使わないというケースでは、大げさな改修工事はコスパに合わないと思います。ただし、10年以上の維持年数を目途としているケースでは、場当たり的な措置をすると、あとからかえって無駄な修繕費用がかかります。
以下、おおよその目安です。
| 残存年数 | 推奨対応 | コメント |
|---|---|---|
| 2~3年 | 最低限の安全補強 | 大規模改修は不要。段板の外れ・腐食部の補修でOK |
| 10年~ | 塗装+耐水の両立 | 腐食経路を見極めた工事で、今後10年を維持していく |
シンプルにはいえば、数年なら「溶接補強だけ」。10年以上なら「塗装+耐水で長寿化」が必要です。
例えば、塗装は「鉄骨の皮膜(コーティング)」として、補強された鉄骨に対して、外気や湿気から守ります。また、雨水対策は「腐食の原因となる浸水ルートの抑止」として、腐食の進行や主因を抑止する役割です。10年前後~の維持をお考えであれば、ここで設備管理のテコ入れをしておく必要があります。
「溶接」と「塗装」、「雨水対策」は、作業目的と成果が異なります。わかりやすく書くと下記のような役割の違いがあります。
- 溶接 → 事故につながる緊急性の高い腐食の「補強」
- 塗装 → 鉄骨に皮膜をつけて外気や雨水から鉄骨を守る「コーティング」
- 耐水 → 腐食の要因となる雨水をブロックして腐食進度を「抑止」
建物で判断:自宅の鉄骨階段なら 自己責任範囲?

自宅の鉄骨階段は使用者が限られるため、費用対効果を考えた補修が可能です。
ただし、腐食が構造部に及んでいる場合は、見た目では判断できません。不安がある場合は、腐食診断や耐久性確認を業者に依頼すると確実です。
鉄骨設備を使うのがオーナー様だけであれば、ある意味割り切った判断(自己責任範囲)ができるかと思います。
建物で判断:賃貸物件なら 慎重な判断が必要

集合住宅では、鉄骨階段は入居者や配送業者など多数の人が利用する共有設備です。
強度不足による事故が発生すると、オーナー責任問題にも発展します。
階段の錆びが原因で、段板が落ちて、利用者が怪我をしてしまうこともあります。オーナー様には、賃貸物件の安全管理が求められます。参考→@Leon__parsa様のツイート
弊社従業員の家族が住むアパートで、奥さんが赤ちゃんを抱っこして階段を降りていた時に7段目が崩れて転落し、奥さんと赤ちゃんが怪我したのに管理会社は「治療費のみで示談にしてほしい」と言ってるけどさすがに慰謝料請求で
このような事態になる前に、「塗装だけ」「雨水対策だけ」という部分的対応ではなく、
慎重なな鉄骨補修計画を立てることが大切です。ここで強度不足による人身事故が発生するとオーナー様には大問題になります。
参考:けちけちオーナーさんの悲劇。維持管理と修繕計画:All About
まとめ:鉄骨腐食は「待てば悪化」するトラブル

外部鉄骨の延命には、「溶接補強」「塗装」「雨水対策」それぞれが欠かせませんが、階段の計上や、設備の運用年数によって、最適な延命方法を見つけて、計画的な設備管理や費用管理が必要です。
もし、
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サビが目立ってきた
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雨水が染みている気がする
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階段が少し揺れる
といった症状があるなら、早めにご相談ください。
状態を正確に診断すれば、交換せずに補修で延命できるケースも多くあります。
鉄骨設備の延命についてお気軽にご相談ください
要約Q&A
Q:外部鉄骨のサビを放置するとどうなりますか?
A:放置すると内部腐食が進行し、階段や廊下の強度低下・落下事故の原因になります。
サビは見た目より深刻な「内部劣化のサイン」といえます
Q:鉄骨のメンテナンスは何年ごとに必要ですか?
A:定期的目安は8年前後です。鉄部の塗膜が劣化し始める時期に再塗装すると延命できます
Q:自分で鉄骨の腐食をチェックする方法はありますか?
A:塗装剥がれ、赤茶色のサビ粉、手すりのグラつき、モルタル床のヒビが主なチェックポイントです
Q:自分で鉄骨補修をDIYすることはできますか?
A:腐食ダメージが軽度のものであればDIYでも行える補修作業はありますが、溶接補強が必要なダメージでは、専門御者による補修工事が必要です
Q:床が鉄板の場合、どんな補修が必要ですか?
A:ケレン(鉄表面のサビ除去)後に防錆塗装と鉄部塗膜をつけることで、鉄骨を外気や雨水から守れます
Q:床がモルタル製の場合、どんな補修が必要ですか?
A:雨水の侵入を防ぐため、シール補修や長尺シート(タキストロン等)で床面全体の耐水対策をします
Q:建物があと数年で取り壊し予定なら、補修は必要ですか?
A:最低限の安全補強だけで十分だと思います。グラつきや落下の危険がある部分を優先的に補修してください
Q:建物をまだ10年以上使う建物では何をすべきですか?
A:溶接補強のほかに、塗装と雨水対策の両方が必要です。鉄骨の強度維持には「塗膜+耐水」の併用が効果的だからです
Q:アパートやマンションの鉄骨階段も同じですか?
A:はい。ただし共有設備のため、事故防止の観点から総合的な補修計画が求められます
Q:専門業者に相談するタイミングは?
A:サビ・ヒビ・揺れのいずれかが見られた時点で相談してください。早期対応で費用を抑えられます
Q:補修や点検はどこに依頼すればいいですか?
A:鉄骨階段や廊下の補修を扱う専門業者に依頼しましょう。現地確認や写真のやりとりなどで、工事必要有無や劣化度を判断します
