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アルミバルコニーのぐらつきは補強できる?鉄工所で解決

この記事を読んでいただきたい方:
アルミ製バルコニーが「グラグラする?」「なんだか傾いていないか?」と不安なオーナー様、アルミ製のバルコニーにどんな補強方法があるか調べているオーナー様向けの記事です

アパートや自宅のアルミ製バルコニーの異変(ぐらつきや不自然な傾き)に対して、バルコニーを新しいものに交換するのも正解ですが、補強して継続利用するという選択肢もあります。

この記事では、高額な交換工事を選択する前に検討したい「鉄骨の柱」を使った補強工事について、鉄工所が直接解説します。

なぜ、アルミ製バルコニーが「ぐらつく」「傾く」?

バルコニーを設置するための、壁への固定ビスが外れかかっている状況です。こうなると、バルコニーが前のめりになって、不自然な傾きができたり、バルコニーがグラグラすることがあります。

原因1:固定ビスの緩み・腐食
バルコニーを建物に固定するためのパーツ(ビス等)が、長年の雨風や振動で緩んだり、腐食したりすることで、ぐらつきや傾きが発生します。
原因2:荷重による歪み
バルコニー本体や設置物の重みが、長年加わり続けることで、アルミ部材がわずかに変形し、建物から離れるように傾いてしまうことがあります。

アルミ製バルコニーは、鉄骨製バルコニーと比べて構造強度が低いので、衝撃や荷重にネガティブに反応することが多いです。

また、壁から突き出すような形で設置されている「外側にしか柱がないタイプ(片持ちバルコニー)」は、資材を問わず人的被害リスクに注意すべきと思います。

参考:跳ね出しバルコニー(片持ちバルコニー)の崩落事故:建築相談室

補強の選択肢、鉄骨の「支え柱」を増設

バルコニーの傾きやぐらつき

Q:交換すると高額だし、でもアルミ製品は溶接できないから補修は難しいのでは?
A:その通りです。老朽化したアルミ設備に無理な力を加えたり、溶接したりすると、さらなる変形や割れ、歪みを引き起こすかもしれません。そこで、鉄工所としてご提案したのが「既存のバルコニーに負荷をかけず、下から支える」という補強策です。

アルミバルコニーに鉄柱を増設する

もう少し具体的に書くと

バルコニーがこれ以上傾かないように、下から支えて、現状をキープする工事」です。

建築セオリーとは異なる、ある意味「対処療法」の補強工事なので、すべてのケースに応じて推奨できる工法ではありません。しかし、建物の維持年数と比較して、安全と費用のバランスを検討することも合理的判断といえます。

実践:アルミ製バルコニーの補強工事

バルコニー柱にラティスを付ける

バルコニーの色に合わせて塗装した鉄柱を、地面から建ててバルコニーを下から支えます。現在の傾きを無理に元に戻そうとせず、「これ以上傾かないようにする」ことを目的に、最適な位置に鉄骨の柱を立てます。突っ張り棒のような効果です。

老朽化したアルミ本体に余計な負担をかけることなく、傾きの進行を物理的に止め、安全性を回復させました。

ほか、可能な範囲で固定部の位置を矯正した状態で、周囲にシーリング処理します。浮いたビスを通して浸水しないようにします。

補強されたアルミ製バルコニー

どこがアルミで、どこが鉄骨かわからない仕上がり。見た目も損なわず、安全性も確保できたのでオーナー様にもご満足をいただけました。

まとめ:アルミ製バルコニーも管理を怠らず!です。

ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。

アルミ製のバルコニーのぐらつきや傾きは、居住者様の安全を脅かす危険なサインです。しかし、交換を即決する前に、延命補強が可能な場合もあります。建物の状況や今後の利用計画に合わせて、コストを抑えながら安全性を確保できる可能性があります。

もし、お使いのアルミ製バルコニーの強度に不安を感じたら、ご相談ください。

要約Q&A

Q:アルミ製のバルコニーがぐらついたり、傾いたりする主な原因は何ですか?
A:建物の壁にバルコニーを固定しているビスが、長年の雨風や振動で緩んだり腐食したり、バルコニー本体や過度な設置物の重みが長年加わることでアルミフレームが歪んでしまうことがあります

Q:ぐらつくアルミ製バルコニーは交換するしかないのでしょうか?
A:「交換しかない」わけではありません。費用を問わず安全優先であれば交換工事が正解です。しかし、新調することで建物の維持年数と逆転したりするなどの事情がある場合は、交換するのではなく「鉄骨の支え柱」を増設して補強するという選択肢が有効です

Q:鉄骨の柱を使った補強工事とは、具体的にどのようなものですか?
A:地面から鉄骨の柱を建てて、バルコニーを下から物理的に支える工事です。傾きを無理に元に戻すのではなく、「これ以上傾かないように現状を維持する」ことを目的としており、突っ張り棒のような効果で傾きの進行を止めます

Q:この工事のような補強は、どのような状況でも推奨できますか?
A:費用と安全のバランス次第で推奨されることが多いですが、工法として「対処療法」であるため、永続的な解決を期待できるものではありません。建物の維持年数や状況を考慮し、安全性と費用のバランスを検討した上での合理的な判断とされています

Q:交換工事と比べた時の費用差はどれくらいですか?
A:3分の1程度の費用が期待できます

Q:この工事の所要日数は?
A:現地作業は数日程度です

Q:工事中でもベランダを使える?
A:はい、ご使用いただけます