この記事を読んでいただきたい方:
アルミ製バルコニーの「老朽化」「ビスの緩み」「グラつき」など。お使いのアルミ製バルコニーの強度補強について解説しています。オーナー様向けの記事です
アルミ製バルコニーの老朽化SOS
「アルミのバルコニーが老朽化なのか傾いている?」とアパートオーナー様からご相談をいただきました。さっそく現地調査をしました。
写真ではわかりにくいですが、確かに建物からわずかに傾いているバルコニー。固定ビスも部分的に外れかかっており少々危険な状況です。入居者の方がこれを見たら不安になると思います。
重要!延命工事の「コツ」を軸にした補強とは
古くなったアルミ製品は、過度な力を加えてると「割れ」が出たり「歪み」が出たりして逆に状況を悪くし兼ねません。そこで延命工事は下記のことを軸に考えないといけません。
「バルコニーがこれ以上傾かないように固定して、現状をキープする」です。
これは、新設工事とも改築工事とも違う「補強延命工事のコツ」です。どういうことかと言いますと、交換するのではなく「延命工事」の場合は、老朽化した設備にできるだけ負荷を与えないように、適材適所の手を加えることが大事なのです。ここ肝です。
アルミ製バルコニーを鉄骨補強する具体策
先ほど書いた「既存設備に負荷をかけずに延命補強する」ことを具体化する工法は、鉄骨柱を増設してバルコニーのグラつきを再固定することです。
現状のアルミ製バルコニーは柱がなく、筋交いをつけた「片持ちタイプのバルコニー」です。経年変化によって荷重に耐えられず、ジワジワと傾き始めています。そこで・・
赤い線の部分に鉄骨の柱を増設します。現状の傾きを「これ以上落ちてこないように」鉄骨を突っ張り棒のような働きで支える格好です。
オーナーからナイスアイデアをいただきました
増設した柱を使って、入居者様のプライバシーのためにパーティションを付けたいとご要望がありました。なるほどこれは工事業者の視点では気付きませんでした。オーナー様の目線もとても勉強になりました。
増設した鉄骨柱を使ってラティスを設置して、お隣同士のプライバシーを意識した作りにしました。補強とデザインがアップグレードしましたね!
緩んだビスの部分を施工後の写真です。できるだけ調整したバルコニーとはいえ、完全に傾きは戻らないのでシールで防水処理をしておきます。実際にはバルコニーの下を鉄骨柱3本で支えているので強度不安は解消されています。
これでアルミ製バルコニーの補強工事の完了です。外観も補強工事を感じさせないスマートな仕上がりになりました。ご用命いただきありがとうございました。