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大型の横引き門扉のキャスター戸車を取り替える

この記事を読んでいただきたい方:
スチール製の横引門扉をご利用の方で、開け閉めが重くなって利用に苦労している方のお役に立ちます。

横引き門扉の現状(鉄骨サビ度:★★★★☆)
「校門の横引き門扉が重くて動かないです・・」と学校施設からのお問合せ。さっそく門扉を調査にいきます(なんと私の母校!)。大型の引き門扉はその重さゆえにキャスター戸車にかかる荷重摩擦があり、戸車の消耗が早いです。結果、開け閉めがギギギ・・と重くなります。

横引き門扉の修理方法:
門扉をユニックトラックで吊り上げたら、修理作業が可能な別の場所に移動します。劣化した既存キャスター戸車を撤去し、新しいものと交換します。同時に、門扉の腐食した各所を溶接補強します。これで門扉が、片手でスイーと開けられるようになります。

この工事の相場費用について:
鉄骨の腐食ダメージの具合や工事条件がまちまちであるため、工事費用も現場ごとに異なります(現場調査が必要です)。お見積依頼等お気軽にお問合せください。

引き戸をクレーンで吊りあげて工事エリアを確保

クレーン重機で門扉を引き上げる

大型門扉は重量があります。結果的にそれはキャスター戸車の摩耗(消耗)を早めます。そして「開けにくい」「開閉が重い」という問題につながります。

今回の修理工事は摩耗した戸車の交換です。この工事は、自社工場に持ち帰らず現地で行います。そのため、クレーンの付いた重機トラック(ユニック車両)で敷地にお邪魔します。

まずは、門扉を安全な場所まで移動しないと修理ができません。全長6m以上の大型門扉。重量が200キロ以上あります。ユニックで門扉を吊って、敷地内の安全な位置まで移動します。

キャスター戸車の劣化状況を確認

引き戸門扉のキャスター戸車

クレーンで門扉をひっくり返してようやく、キャスター戸車の劣化具合を具体的に確認できます。

荷重で回転しにくいだけではなく、キャスター戸車自体がサビて回転しません。このことが原因で門扉の開け閉めが重くなっています。

劣化したキャスター戸車の撤去

問題のキャスター戸車を解体撤去します。サビ腐食でボロボロなので、あっという間にポロンと取れてしまいます。全部で4カ所のキャスター戸車を順に撤去します。

戸車の世代交代

左が新しく交換するキャスター戸車。右は撤去した古いキャスター戸車。おそらくこのキャスターは20年以上に渡り学生の安全を守ってくれました。長い間おつかれさま!

いよいよ溶接補修工事を開始

引き戸門扉の補修工事

溶接作業で新しいキャスター戸車に交換します。クレーンと脚立をうまく使いながら作業しやすいように門扉を回転させながら丁寧に補強していきます。

※生徒が校舎に入っている授業時間に集中して修理します。授業の合間は「誰だこの人たち・・・」という視線を感じつつ休憩。

キャスター戸車の溶接交換

新しいキャスター戸車と門扉のフレームの間に鉄板を挟んで溶接しています。なぜだと思いますか?

これは、戸車を撤去した周辺の鉄板が腐食しているからです。ひとまわり大きな鉄板を挟むことでしっかり溶接できます。溶接が終わったら防錆スプレーを吹きつけます。

重量戸車

キャスター戸車をひとつずつ交換していきます。門扉を仰向けにして作業できるので工事は順調に進みます!

ちなみに、このような大型門扉のキャスター戸車は、専門店では「重量戸車」と呼ばれています。現場調査時に既存の動かないキャスター戸車の直径と、門扉の重量を支えられる規格のものを調べておきます。

横引き門扉のキャスター戸車

仕上げの塗装も終わって、新しいキャスター戸車に交換できました!これでスイスイ門扉が動きますよ。

門扉フレームの腐食にも溶接補強を行う

門扉の錆び

ちなみに、門扉をひっくり返すとほかにも問題点がよく見つかります。実際、こんな修理をするとき以外は門扉を仰向けにはしませんものね。このタイミングで修理をしておきます。

門扉フレームの鉄骨が腐食して「さび穴」が空いています。これを溶接で補強していきます。

門扉フレームのサビ補修

腐食部分を鉄板で溶接補修しました。ひとつの前の写真と見比べてください。

そもそも補修工事は、ある程度のダメージを想定して現場に臨みます。状況に応じて現地で簡易的な鋼板作りをしながら溶接補修します。

門扉の丸落しの不具合

こちらは門扉の「丸落し(フランス落とし)」と言われる部分。

門扉を閉めたときに地面に杭のように棒を落とし込んで施錠するのですが、この丸落としも機能しておらず、また周辺のフレーム鉄骨にもサビ腐食が・・・。

丸落しの修理補修

当初のように使えるよう、こちらも溶接補修を済ませます。

鉄骨の修理工事では、調査時はわからなかった隠ぺい部分の腐食を見つけることがあります。これらをある程度想定して、余分な補強パーツを用意しながら臨機褒貶に補修していく必要があります。見た目ではわからなくても、鉄骨は見えないSOSを訴えています。

補強工事がされた横引き門扉

最後に門扉をクレーンで吊りなおして、もとの場所まで移動します。既存のレールにもしっかり乗せて修理は無事完了。

お問合せをくださった職員の方も実際に動かしてみます。片手ですーっと開きます。「もっと早くに問い合わせればよかったなあ」と喜んでくださいました。なかなか鉄工所に問い合せることってないですものね。

※思わぬ母校への恩返しになりました

工場や施設などの両開き門扉の補強も行いますので合わせてご覧てください。
参考:工場の大きな門扉の劣化を補修してリニューアルする