この記事を読んでいただきたい方:
事情(隣地とのこと?防犯のこと?プライバシー?)があって、傾いたブロック塀を交換しないで補強したいオーナー様にお役に立つ、鉄骨フレ止め工事をご紹介します。
ブロック塀は、老朽化によって内側の鉄筋が腐食するなどして強度を失っていきます。放っておくと傾いたり地震で倒壊する場合があります。この状況を解決するにはブロック塀を「交換する」、あるいは「補強する」という選択肢があるかと思います。
ブロック塀の交換?補強?どっちが得?
実はコスト的にも将来的にも「ブロック塀の交換」の方が良いことが多いです。ただし解体時は騒音や粉塵が発生して、また解体~設置までの間は塀がない状態なので、防犯面でもプライバシーの面でも不自由な期間が存在します。隣地の兼ね合いで解体が難しいとお悩みのオーナー様もいらっしゃいます。
そこで代替案として「ブロック塀の補強」する選択肢があります。ただ、補強にもデメリットがあります。ひとつはブロック塀の強度を完全に復旧はできないこと、もうひとつは工事費用が比較的安価になはらないことです。補強で使うのは「鉄骨+工場加工」なので工事原価が高くなります。※工法によっては交換よりも安くなります
ブロック塀の交換か?補強か?は、オーナー様のご事情によってどちらにもメリット・デメリトがあります。今回は「補強工事」のご紹介です。
ブロック塀の「頭」を固定して倒れないようにする
工事前の写真です。現地でオーナー様と補強策の意見交換をします。工事対象のブロック塀の状態のほか、周囲の設備との関係を検討した結果、今回は建物の壁面を補強の基点とすることにしました。
わかりづらいイメージで恐縮ですが、このような形で「建物の壁を使ってブロック塀を固定する補強工事」となります。
工事内容によっては施工図を準備します。既存設備を活用しての修繕工事ではミリ単位での調整が求められるので、計測や調査を念入りに行います。
オーナー様からのご承諾をいただき、いよいよ工事開始です。
ブロック塀の振れ止め工事
ブロック塀の「頭(てっぺん)」をカバーする鉄骨です。対候性をつけるため溶融亜鉛メッキ処理をしてあります。
ブロック塀に振れ止め骨材を被せてケミカルアンカーで固定します。この骨材から緊結したパーツを接合して、建物壁面にもアンカー固定します。
建物壁面(ALC)への固定パーツです。これでブロック塀と建物壁面が緊結された状態になり、ブロック塀がこれ以上傾かないようにしています。
ブロック塀が傾こうとするのを、建物壁面、既存支柱が支えている状態です。
これにてブロック塀の振れ止め工事が完了しました。オーナー様にもご満足いただけました。ブロック塀補強工事をご検討されるオーナー様のお役に立ちます。お気軽にお問い合わせください。
参考:ブロック基礎から補強を行う施工例