この記事でわかること
屋上に設置されたスチール製手すりの根もとが錆びてぐらつき始めたとき、「丸ごと交換しかないのか」「溶接工事は防水に影響しないか」と不安になる建物オーナー・管理会社の方は多くいます。この記事では、溶接を一切使わずに手すりの強度を回復した補修工事について、実際の工事写真とともに解説します。

屋上の手すりが錆びてぐらつく・・。放置すると?

屋上で、転落防止を目的に設置された手すりは、風雨にさらされ続けることで支柱の根もと付近から腐食が進みやすい構造をしています。手すりの内部に進入した雨水が、下に流れて溜まっていくためです。このまま放置していると、パイプ内部からじわじわと錆が広がり、気づいたときには根もとが取れかかっているケースが少なくありません。
放置した場合のリスク:
- 手摺にもたれた人が転落する重大事故
- 管理責任を問われる法的リスク
- 腐食の進行による補修費用の増大(全体的な交換)
「何本かがぐらつく」という段階であれば、部分補修で回避対応できる可能性が高いです。全体交換を決断する前に、まず現状を確認することをお勧めします。
屋上は特殊なシチュエーション。工費増額に気を付けて。

錆びトラブルが生じた手すりを補修をするとき、一般的には腐食箇所を部分交換する溶接作業で解決します。ところが、屋上という独特なシチュエーションでは溶接作業が余計なコストを生んでしまうリスクがあります。
なぜ屋上での溶接は避けるべきなのか
防水膜へのダメージ:
屋上の床面には防水皮膜(ウレタン防水・アスファルト防水など)が施されています。溶接の火花・熱が防水膜に触れると、膜が焦げたり傷んだりして雨漏りの原因になることがあります。防水工事は単独で数十万円〜の費用がかかるため、補修で新たな問題を生み出すことになりかねません。
参考:屋上防水の必要性など解説されているサイト:関東防水管理事業協同組合さん
火の粉の飛散リスク:
屋上に足場やメッシュシートが設置されていない場合、溶接中に飛び散る火の粉が階下に落下するリスクがあります。居住者・通行人への安全面でも問題になります。
上記のような要因があるため、屋上での溶接工事は「溶接工事以外の費用」が発生しやすく、注意が必要です。
私どもはオーナー様に「屋上で溶接工事をするときは、屋上防水を含めた大規模改修工事がベストタイミングです」とお伝えすることが多いです。
溶接なしで手摺の強度を回復する補修工法

横山鉄工所では、屋上の防水膜を守りながら手摺の強度を回復するために、貫通ボルト固定工法をお奨めします。工場で専用の補強パーツを事前に製作し、現地では溶接を行わずに取り付けるため、防水膜への影響がありません。

補修の流れ
STEP 1|現地調査・診断 手すり支柱の根もとが腐食しているかを確認します。全体が錆びているのか、一部だけなのかを見極め、人的被害に繋がるリスク箇所を調査します。
STEP 2|錆びた根もとのカット・交換 腐食した根もと部分をカットします。そして、工場で作ってきた補強パーツに交換します。 既存スチール手摺に穴をあけて貫通ボルトで固定します。
STEP 3|重量のある基礎ブロックに連結する 補修した手すりがぐらつかないよう、地面に固定しますが、通常のアンカー固定やコア穴施工は、防水膜や建物背筋にダメージを与えるため、重しとなるコンクリートブロックに手すりを連結して、控え柱の代替えとします。
STEP 5|強度確認・完了 取り付け後、手摺のぐらつきがなくなったことを確認して完了です。防水膜への影響ゼロで、転落リスクのない手すりに戻ります。
この工事の特徴は、溶接火の粉に起因する2次的工事の費用を抑えられる点です。すべてのシチュエーションで対応できるものではありませんが、実現できれば相場費用の30%程度まで絞っていくことができます。
屋上のある鉄性手すりの腐食でお悩みのオーナー様、横山鉄工所にお気軽にご相談ください。
要約Q&A
Q:手摺全体が錆びていても部分補修できるの?
A:腐食の範囲と程度によります。根もとだけが腐食しているケースでは部分交換が有効です。また、建物の維持年数なども踏まえて、コストパフォーマンスの高い対応が理想です。(徹底的に直す以外の対応があるかもしれないということです)
Q:他社に見積もりを取ったら高額だった。なぜ?
A:手すりの錆びトラブルへの対応は、一般的に「全体交換」を前提に進めるケースが多いためです。それがダメと言っているのではありません。ひとつの答えとして適切です。が、横山鉄工所は「作り替えは最終手段」という考えのもと、補修で対応できる場合は補修を優先します。同じ状況でも費用が大きく変わることがあります。
Q:屋上の防水工事は別途必要になる?
A:本工法は防水膜を傷めないことを前提にした工法ですので、基本的に防水工事の追加は不要です。ただし既存の防水膜に特別の劣化がある場合もありますので注意が必要です。
Q:この記事のような工事はどんなときに相談すればいいの?
A:例えば、下記のような場合にご相談をいただくとベストタイミングかと存じます。
✅屋上手摺の1本~数本がぐらつく、または根もとが浮いている
✅錆による変色・腐食が目立ってきた
✅入居者や訪問者、管理会社から「手すりが危ない」と報告を受けた
✅定期点検で手摺の強度不足を指摘された
✅全体交換の見積もりが高額で困っている
