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【鉄骨補修で損をしないために】失敗しがちな4つ落とし穴

この記事を読んでいただきたい方:
DIYでの鉄骨錆び対策に限界を感じでいるオーナー様。これまで管理会社任せにしていたが、補修の質や費用に疑問を持ち始めているオーナー様。見栄え(外観)より安全性優先に管理の質を改善したい、無駄なコストを省きたいと考えているオーナー様向けの記事です。

なにが原因でこの腐食穴が発生したのか

鉄骨錆びについて、ネットで調べていろいろDIYしてきたけどこれで大丈夫なんだろうか?の管理会社にメンテナンスを任せているが本質的(見栄えより性能)な補修になっているのか?お金のかけ方に不安があるけど、どこに相談していいかわかならい・・と思ったことはありませんか?

弊社のホームページを見つけてくださり、実際に現地調査とお打合せをしてみると「工事費用で損をしているのでは・・」と感じることがあります。このようなオーナー様にはある共通点があります。

「きちんとメンテナンスしてきたはずなのに、なぜ?」
「この補修方法でよかったのか不安…」
「以前は管理会社に任せていた」
「親が手配していたので詳しいことは分からない」

相談すべきタイミングや業者との接点がないまま経年劣化を見送ってきたパターンがとても多いです。

この記事では、鉄骨補修で工事費用を無駄にしてしまうオーナー様の特徴と、その回避方法を専門施工店の視点から解説します。当てはまる項目がないかぜひチェックしてみてください。

鉄が腐食した原因(経緯)を説明されていない?

腐食した外階段

ベランダでも階段でも「なぜそこが錆びたのか?」「どこから腐食が広がったのか?」を業者に説明されないまま、なんとなくペンキを塗って終わったという状況は良くありません。腐食の原因や経緯を把握することは、正しい補修計画の第一歩です。

「とにかく修理だけお願いしたい」と業者に丸投げしてしまうと、業者に悪意がなくても適切でない工事に費用をかけてしまうリスクがあります。修理理由・工法・期待できる効果・デメリット管理・今後の留意点など、業者と丁寧に共有できれば最高(コスパ最強)の工事になります。

あと何年維持したいかを業者と共有していない?

20年くらい放置された鉄骨の腐食状況

築何年の建物で、残り何年程度の維持が必要で、これまで補修してきた履歴情報(溶接したとか、塗装したとか)を業者に提供しましたか?もしくは業者に聞かれましたか?

15年以上を運用を目途とする補強工事例(定時的お手入れ必要)

補修内容や範囲は「あと何年使いたいか」で区切って考えて工事費用を管理します。

例えば──
Q:あと5年持てば十分!
A:鉄骨溶接だけで済むかも?とはいえ結構なデメリットあり。

Q:10~15年は使いたい・・。
A:丁寧な下処理をした塗膜作業?延命なりのデメリットあり。

Q:今後20年以上使い続ける予定
A:交換という選択肢も入れて考慮すべき?

このように目標とする維持年数によって、選ぶべき工法や予算配分も違ってきます。築年数やこれまでの補修履歴(例:塗装、溶接の有無)など、わかる範囲でもいいので業者と共有してください。そうすると業者は自然とオーナー様と同じ視点で現場を見るようになって効率的な提案をしてくるようになります。

維持年数以上の高額工事はコスパが悪く、必要以下の補修は再工事の原因になります。アパート経営などの場合は、賃料収入とメンテナンスコストのバランスも重要。目標年数を明確にして、最適な補修計画を立てられればと思います。

相見積もり業者ごとに補修方針がバラバラ?

床抜けが危惧される外廊下

複数の補修業者から見積もりを取る際、提出された見積内容(項目)を把握しておらず、金額だけ見ているオーナー様がいらっしゃいます。金額が安いからと選んだため思っていた結果になっていない。あとから追加請求されたというトラブルに見舞われる可能性があります。

例えば「この錆びた鉄骨階段を補修したいから見積もって」と各社から提出されていたものが下記のようになっていれば工事結果で得られる効果が異なります。
A社:溶接補修+防錆処理と塗装+耐水シート
B社:パテ補修+表面塗装とコーキング処理
C社:溶接補修+表面塗装(高品質塗材)

この場合、単純な価格比較は意味をなしません。各社に同じ補修方針で見積依頼を行い「工事内容の違い」と「その影響」を把握したうえで判断したほうが良いと思います。重要なのは、各社の補修内容や材料、施工範囲が同じ条件であり、工事結果をオーナー様と共有しているかという点です。

実際、「他社で見積もったら〇〇円だったよ」と言われて「その見積に××という作業は含まれていますか?」と確認すると、「よくわからないけど」とお返事されるオーナー様がいらしゃるのです・・。

腐食を解決した工事になっていない??

テープで隠されている錆び穴

現地で「数年前に修理したばかりなんですよ」とオーナー様に愚痴をこぼされることがあります。例えば上の写真。数年前の修理では鉄骨の錆び穴にテープを貼っているだけです。業者からオーナー様への説明はなかったそうです。

実は解決していなかった鉄骨サビ

こうした処置は、一時的な見た目の改善にはなりますが、腐食の根本解決にはなっていません。逆に、事態の深刻さを把握できないまま再度大きな工事費用がかかることも。

誤解がないように申しますが、なにもテープ補修がダメ作業だと言っているのではありません、予算の都合であったり、軽微な補修でも強度を保てることもあります。しかし「この場所は簡易補修でOK」「ここはしっかり処置すべき」といった判断は専門業者に任せつつも、その内容と目的はオーナー様自身が把握しておくことが大切です。

4つの落とし穴、まとめ

「なんとなく補修は依頼したけど中身はよくわからない」
この状態は、工事費用と工事効果が釣り合っていない“損”な状態です。

鉄骨の腐食対策には、これまで書いてきた4つの「落とし穴」にご注意ください。
1.腐食原因の正確な理解
2.維持年数の明確化
3.各社の補修方針の比較
4.根本解決のための工事選択
が欠かせません。

建物の価値を守り、無駄な出費を防ぐには、補修の目的・方法・効果をしっかりと理解・共有することが何より大切です。いかがでしたか?「あ・・自分がそうかも」と思ったら危険信号です。

鉄骨メンテナンスは専門店である弊社はお役に立ちます。お気軽にご相談ください。

要約Q&A

Q:失敗しがちな落とし穴とは?
A:工事方針を業者と共有できていないと「工事費用も効果も中途半端になりがち」という落とし穴です

Q:失敗するとどうなる?
A:無計画に工事をすることで散財してしまう、ということです

Q:工事方針は業者に委託するの?
A:いいえ、腐食の原因をオーナー様自身が把握することで工事内容を吟味できることが理想です

Q:補修工事の費用相場は?
A:腐食状態や補修範囲で大きく変わるため相場というものはありませんが、丸ごと交換する工事費用の半額、3分の1程度で工事できることを目途としています

Q:自分で腐食補修できないの?
A:小さい穴や鉄骨に錆が付着している程度ならDIYでも可能かもしれません。ただし、「ここから危険域」という見極めはプロでないとわかりません。DIYで鉄補修ができる範囲(方法)と「ここからは専門業者です」というボーダーラインについて下記ページで解説しております。

参考:鉄骨錆びの補修DIYはどこまでできる?どこから業者の出番?

参考:弊社が更新をさぼっているFacebook支店がこちら

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