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外階段の踏み板(段板)が沈む?トラブルについて

この記事を読んでいただきたい方:
外階段の踏み板(段板)が歩行時に「沈む」ような状況にある建物オーナー様の記事です。踏み板の沈み込みトラブルの原因と補修方法をご理解いただけます。

外階段の踏み板が沈む原因

なぜ「踏み板のトラブル」に気付きにくい?

老朽化した外階段

「外階段に小さいさび穴が開いているので補修して欲しい」と、オーナー様のご依頼を受けて現地調査にやってきました。ご懸念のさび穴が数か所空いているのを確認して補修を行うべく計測などしていたのですが、この階段を上り下りしていたときに階段の踏み板(段板)が沈み込むことに気付きました。踏み板に足を乗せると踏み板がふにゃっと下に沈む感じです。

踏み板が沈み込むトラブルは腐食が原因なのですが実はなかなか気付きにくいです。何故かというと、この異変は最初は「感覚的なレベル」程度であり、徐々に深刻になっていくので日常的に歩行しているとその変化がわからないからです。

気付きにくい小さなトラブルですが、この状況を放っておくと「沈み込み」はだんたん強くなり、最終的には踏み板が外れてしまう(落ちてしまう)危険性があります。

踏み板が沈み込む原因

外階段の踏み板が沈む箇所

上記のように「コーナー(曲がり)」がある階段は、コーナー部の踏み板がほかの踏み板より面積が広いことが多いのですが、ここが強度の盲点になることがあります。

面積の広い踏み板は、上からの荷重に対して床の鉄板が突っ張りきれず、下方向に沈んでしまう可能性があるのです。

外階段の踏み板が沈む原因

沈み込みをわかりやすくスケッチにすると上記のような形です。

新しい階段は強度もしっかりあるので、沈み込みが起こらないとしても経年劣化によって鉄板が錆びて薄くなってくると耐荷重が下がってきます。この結果、階段歩行時に踏み板がフワフワした感じになったり沈んだような感じを受けることがあります。

この状態を放っておくと、荷重がかかるたびに床鉄板(踏み板)に垂直ダメージを受け続けることになり、いずれ「踏み板が外れ落ちてしまう」という事故につながりかねません。

踏み板の歪み補強工事

踏み板の歪み沈み込みの補強イメージ

踏み板沈み込みの解決策として「踏み板中心部に鉄フレーム」を追加することをお奨めします。くねくねした身体に背骨を入れるイメージです。

踏み板補強フレーム

実際に補強フレームを溶接した状態です。フラットバーという肉厚な鉄筋鋼材を使って踏み板の沈み込みを抑えます。沈み込みが抑制されることで、踏み板への都度の荷重負荷が軽減されるので製品劣化が大幅に軽減します。

経年劣化を防止する塗膜措置で延命OK

外階段のウレタン塗装(塗膜)

踏み板以外にも各所の溶接補修を加えたら鉄骨補強が完了します。次に、補強効果を長く維持させるための塗膜コーティングを施します。ウレタン塗膜2層コーティングをすることで、鉄が腐食(酸化)する2大要因「水・酸素」をケアします。虫歯に銀歯をかぶせるようなイメージです。

外階段補強補修工事後

踏み板補強を含めた外階段補強工事が完了しました。外観も綺麗になりつつ延命もできております。費用相場は交換工事の半分以下です。築古(中古)建物の外階段補修では交換工事は無用の長物になってしまいますので、オーナー様には工事費用バランスご注意いただきながらご検討いただければと考えます。外階段の踏み板トラブルは、専門の私どもにお任せください。

参考:踏み板のアングルピース補強工事とは?簡易措置でも安全性を確保

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