この記事をシェアする

鉄骨階段の寿命は40年目が節目。今やるべきことは?

この記事を読んでいただきたい方:
鉄骨階段の寿命について知りたい方向けの記事です。鉄骨階段の寿命は1980年頃に建てたアパートの鉄骨階段なら40年目。戸建ての鉄骨階段でも40年目が節目です。40年目以降は、過去どれだけメンテナンスをしてきたかによって「残り数年で寿命」か「さらに20年使える」かが決まります。

老朽化腐食が始まった鉄骨階段

鉄骨階段の寿命は40年が節目

経験上(鉄骨補修専門でやってきた経験)おおよそ鉄骨階段の寿命は40年が節目です。弊社がご相談をいただくのは「築30年~築40年の建物オーナー様からの修理相談」が多く、鉄骨延命修理を年間100件近く承っております。

外階段の段板のサビ

そして、あまり書きたくない現実をお話します。

語弊を恐れず言うならば「40年くらい階段を放っておくと人的被害や事故が起こる一歩手前」というケースが多いです。40年の間、ほぼ放置していれば残り数年。塗装をこまめにしていれば残り15年。しかし、鉄骨補強をしていれば残り20年も視野に入ってきます。

とはいえ、いまの鉄骨階段がどれだけメンテナンスをしてきたかわかりますか?・・実際にはわからない方が多いのが実情です。なぜならば、メンテナンスを親御様や管理会社がされていたり、そもそも鉄骨メンテナンスに詳しくないところに管理委託をされている可能性もあるからです。

鉄骨階段を50年以上もたせる条件

鉄骨階段を50年以上もたせるには定期的な鉄骨補修工事が必要です。鉄骨階段などの外部鉄骨設備(★)は定期的メンテナンス(7年~8年に1回)が推奨されます。鉄骨塗装で使われる塗膜の寿命が7年~8年という事情からです。

外階段のウレタン塗装

鉄が酸化(腐食)する原因は主に「雨水」と「空気」に鉄表面が晒されることです。鉄表面が酸化してくると、内部にまで腐食が入り込み最終的には強度を失ってしまいます。強度が失われると、階段であれば踏み板が抜ける、廊下であれば底が抜ける、柱が外れるというトラブルの原因となります、このことが人的被害(事故)につながります。

参考:アパート2階外廊下の床抜け事故(NHK)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230703/k10014116671000.html

通算1.000件超の鉄骨補修工事をしてきた弊社の見解からですが、総じて私どもはオーナー様に下記のようにお伝えします。

「鉄骨階段を50年以上もたせるためには塗装だけでは達成できません。鉄骨の健康管理は錆びの管理です。錆びて穴があけば隠さずに補強していかないと50年以上はもたないのです。」

★鉄骨ベランダ、鉄骨廊下など、建物に付随する鉄骨設備を指します。構造が華奢である門扉や手摺類はもっと短命です

塗装だけではメンテナンスが足りない腐食とは

以前(2016年)にSUUMOさんの取材をいただきましたので、こちらの記事がとても参考になります。SUUMOさんありがとうございます。

参考:アパート外廊下の床が抜けて大怪我! キケンな状態の見分け方は?(SUUMOジャーナル)

https://suumo.jp/journal/2016/10/24/119883/

とてもシンプルに解説しますと、「鉄骨階段はササラ桁がダメになったら業者の補強工事必須です」「鉄骨廊下は胴差鉄骨がダメになったら業者の補強工事が必要です」。

階段のササラ桁の錆び腐食

廊下胴差鉄骨の錆び穴

階段のササラ桁(踏み板を支える斜めの梁)も、廊下の胴差(廊下床デッキを支える梁)も構造の中心なので、腐食を放置すると構造強度がなくなり事故につながります。塗装する前にしっかり溶接などの補強で安全性を確保しなくてはいけません。

40年目が鉄骨設備の節目。鉄骨補強をお勧めします。

鉄骨の補修延命実績数は関東ナンバー1と自負しますが、経験から申しますと、鉄骨階段を40年以上、50年以上使っていくには、鉄骨設備として避けられない「腐食錆びの管理(補修や補強)」が確実に必要です。そして、補強効果を維持する要素として塗装や耐水(防水)があります。

鉄骨の補修延命工事(溶接)

築年数の経過した建物に、新しい階段を付けるのは避けたいところですよね。

「ただ修理工事する」のは意味がないです。どうか場当たり的な工事はなさらないでください。寿命から逆算しながら工事費用をかしこく使っていきましょう! 弊社がお役に立ちます。お気軽にご相談ください。

参考記事:アパート階段など、鉄骨耐用年数について

この記事を読んでいただきたい方: 建物...

この記事をシェアする

横山鉄工所(鉄創庵)をフォローする