錆びた外階段を修理して長持ちさせる！

この記事を読んでいただきたい方：
アパートオーナー様向けの記事です。階段を交換せずに、階段をそのまま使いながら腐食トラブルを解消（長寿化）するためのガイド記事です。

外階段がサビで危険…どうすればいい？

外階段のサビ腐食は、放置すると入居者の転落事故や階段崩落のリスクにつながる重大トラブルです。ただし、「全部交換は高そう」「交換中は階段がなくなってしまう」「どこまで補修すべきかわからない」と、お悩みのオーナー様は多いと思います。

本記事では、実際にサビ腐食が進行した外階段を“部分交換”で延命した事例をもとに、
アパートオーナーが知っておくべきポイントを、わかりやすく整理してご紹介します。

工事前：外階段のサビ腐食の実態

アパートの外階段に「注意」の貼り紙が。

今回の物件では、外階段のカーブ部分で深刻なサビ腐食（強度低下）が発生していました。箇条書きにすると・・

上記はいずれも、命に直接関係しない表面的なサビとは異なり、構造体力が失われる危険なサビです。

法律（民法）でも、賃貸主様の安全管理は義務とされており、消費者庁からもガイドラインが示されています。

入居者様が毎日使う設備のため、建物には「注意」の貼り紙がされ、問題箇所の階段は使用禁止にして安全確保が行われていました。２階に上がる入居者様も、１Ｆを通る入居者様も、日々ご不安であったと聞きました。

補修費用について：
補修計画を立てるうえで大切なのは「あと何年維持するか」です。長期にするほど補修範囲が広がって高額になります。短期にするほど補修範囲が狭まって低額になります。

外階段の補修費用の分岐点は、維持年数以外にも下記のような条件もポイントがあります。

「部分交換で済むのか？」「全交換が必要なのか？」を判断するためにも、まず専門業者による点検をおすすめします。弊社は前者での解決を前提にご提案をしています。

補修範囲について：
今回のケースでは、建物の残存耐用年数が比較的短いことから、今回は強度危険部のみを部分交換する補修方法でご提案します。

ポイントは以下の通りです。

部分交換工事は患部を摘出する外科手術のようなものです。今回は他社様も絡む工事となったので図示資料も用意しました。

サビ腐食の強い「階段コーナー部」だけを解体撤去して、既存階段の仕様に合わせて新しい鉄骨に交換します。

黒色の部分がもともとの鉄骨階段（継続利用）です。赤茶色になっている部分が新しい鉄骨です。

大きなサビ穴があいていたササラ桁も復旧しました。これで強度も復活。

既存の階段と、ぴったり合わせて溶接。これで外階段の寿命は大幅に延命されます。

新旧鉄骨で再構築された鉄骨階段。これで鉄骨工事は完成。このあと塗装工事を行います。

鉄骨製の外階段の腐食は、下記のようなスマートなメンテナンスが可能です。

もちろん、全交換が最適解ですが、資金繰りという現実問題とも向き合う必要がありますね。アパートオーナー様のコスト負担を最小限にしながら、安全性を最優先に、費用対効果を意識した工事をご提案しています。外階段のサビ腐食でお困りの際は、まずはお気軽にご相談ください。

Q：外階段にサビが出てきたら、どの程度で危険ですか？
A：表面に点々とある赤サビくらいなら軽度ですが、錆び穴あき・通路裏側の部分的な欠損・鉄骨接合部の腐食は、塗装だけでは解決できない危険サビです。具体例として下記のページも役立ちます。

Q：部分補修と全交換、どちらを選ぶべき？
A：「あと何年使うか」を、必ず業者に伝えてください。維持年数から逆算して、部分補修や全交換の判断ポイントを作らないと、費用は無限に上がってしまいます。短期の維持年数であれば、危険部だけの交換で延命できるケースが多く、全交換は最終手段です。

Q：外階段の補修費用はどれくらい？
A：サビの進行度・階段形状・現場条件で大きく変わるため、費用はすぐには出ませんが、全交換より大幅（3分の1～半額程度）にコストを抑えられます。

Q：アパートの入居者様に迷惑をかけずに補修できる？
A：ほぼ可能です。ただし、安全のため、作業中は通行時にお声をかけてください。安全誘導します。また、複数日に跨ぐ補修工事の場合は、都度いったん通行できるように調整して作業をします。