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アパート等の外部鉄骨の耐用年数について

外部鉄骨の耐用年数
鉄骨耐用年数については、使用されている鋼材規格や設計内容、定期的なメンテナンスの有無によって大幅に変わってきます。つまり、お手入れ次第で耐用年数に幅が出てきます。参考値として、無塗装(塗装が剥げた状態など)の鉄なら場所によっては数年~15年という年月でサビ腐食から始まり、耐用限界を迎えると考えます。

鉄骨(無塗装)耐用年数は10年~15年くらいが目処

腐食の進んだ外部鉄骨

鉄骨造アパートの「内部の構造鉄骨」ではなく、アパートや建物の外部についている「外部鉄骨」は、鉄骨廊下、鉄骨階段、鉄骨バルコニー、スチール手すりなど多岐に渡ります。

これらの外部鉄骨の耐用年数について「一般的には・・」と答えるのが難しいですが、例えば、塗装コーティングや腐食補修が施されていない外部鉄骨は10年~15年くらいでボロボロになる可能性があります。表面のサビが鉄骨の内部に浸食していくことで、鉄骨強度はが徐々に失われていきます。

同じく、アパート等の外部の鉄製品(門扉や手すりなど)は、定期的な塗装コーティングを怠っていた場合は即座に腐食が発生して数年でボロボロになる可能性があります。

厄介なのは「内部のサビは気付きにくい」ということです。パッと見た印象では「小さなサビ穴」でも、その内側では広範囲に腐食が進んでいるのです。

鉄骨廊下の床面崩落事故の原因を考える

平成28年10月6日、北海道で衝撃的な事故が起きました。

アパートの外部鉄骨廊下の腐食によって、廊下の一部が崩落。怪我人が出た事件です。

参考:(朝日新聞)アパート外通路の床が抜ける 函館、警官6人転落し負傷

上記の事故の原因は、鉄骨腐食による強度ダウンです。廊下の鉄骨が日常的にかかる荷重に耐えられなくなり、廊下の一部が瓦解したのだと考えられます。

廊下の床面が抜け落ちるリスクについては、いろいろな可能性が考えられます。

・床面を支える胴差し鉄骨の強度ダウン?
・床面の下地となるデッキプレートの強度ダウン?
・そのほか、周辺の構造鉄骨部の強度ダウン?

これらの問題の発生源は「廊下床面から浸水する雨水」である場合がほとんどです。崩落の原因となる「胴差し鉄骨」や「テッキプレート」は下記の工事例のように対処できます。

参考:胴差し鉄骨に大きな腐食ダメージがある場合の補修工事
参考:廊下やバルコニーのデッキプレートが劣化した場合の補修工事
参考:廊下への雨水侵入を防ぐタキストロン工事

また、平成28年3月に消費者庁が賃貸物件における「生命に危機をおよぼす不具合の発生」を発表して注意を呼び掛けています。

消費者庁に寄せられた不具合情報(653件)のうちの、鉄骨階段の不具合だけで20件にも及んでいます。報告のないものも含めれば、実際には多くの鉄骨腐食の問題が起きているのです。

鉄骨の耐用年数は「延命」できる

例えば、築30年くらいの木造アパートがあったとします。このアパートに鉄骨製の廊下と階段があるとします。塗装を怠って腐食が広がっていれば、この鉄骨の耐用年数は15年くらいで黄色信号が点灯します。

とはいえ、15年経過してから鉄骨を丸ごと取り換えるということは、めったに無いはずです。コスパが合わないからです。そして入居者様の生活に大幅な制限がかかるからです。

鉄骨の耐用年数を正確に数値化することは難しいですが、少なくとも耐用年数を伸ばすことは可能です。定期的な鉄骨サビ対策(※)を行っていれば、アパート建物よりも強度が維持されるといっても過言ではありません。
※ 鉄骨サビ補修、塗装コーティング、雨水対策など

鉄骨強度を見極めるポイントとは

鉄骨階段や鉄骨廊下での腐食状況を見極めるポイントはどこでしょうか?

手摺や目隠しパネルの腐食の復旧は比較的簡易に補修で解決できますが、鉄骨廊下は、構造部となる「胴差し鉄骨(廊下の外周を囲う鉄骨)」に大きなサビ穴が空いている場合は要注意です。廊下の床面を支える強度に問題が発生しています。ひどくなればニュースのような床の崩壊の可能性もあります。

以下の写真が「危険な胴差し鉄骨」の代表例です。

胴差し鉄骨の腐食

また、鉄骨階段であれば「ササラ桁」が重要な部分となります。このササラ桁の強度が健在であれば大規模な改修工事を回避できる可能性が高く、耐用年数を伸ばすことができます。

階段ササラ桁に腐食

経験上、当社で診断に伺って「あぁ・・これはもうダメだ。交換しかない」という判断に至る鉄骨は1割を切る程度です。オーナー様。あきらめてしまう前に、鉄骨の耐用年数の延命をご検討ください。お問合せをお待ちしております。