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外階段のモルタル床の劣化補修ガイド

この記事を読んでいただきたい方:
外階段のモルタル製床の劣化補修方法について解説します。アパート管理業者様やオーナー向けの実践的な補修情報です。

廊下モルタルのクラック

モルタル床の劣化とは?原因は?

アパートの外階段の現場調査

外階段のモルタル床にヒビが入って、鉄骨が錆びているとご相談をいただきました。

モルタル床の劣化とはどんな現象?

廊下モルタルのクラック

新築時から数十年が経過したモルタル床は、経年劣化をして下記のような症状を起こすことがあります。

  • モルタル表面に小さなヒビ(クラック)ができる
  • モルタル表面に長い亀裂が走っている
  • モルタル床に不自然なデコボコができる

長年の使用によって防水皮膜が消耗して、めくれたり、剥がれたりします。そこから内部の鉄骨に浸水して、鉄骨腐食が始まり、錆びに押し上げられて、モルタルにクラックができます。

モルタル床の劣化の原因は?

劣化の原因は、経年劣化なのですが、もう少し詳しく書くと下記のような原因で劣化が始まります。

  • 外的要因:屋外階段は、風雨に晒されて湿気も残る
  • 時間経過:数十年放置していれば、保護層が消耗
  • 使用環境:歩行頻度が高い箇所は摩耗しやすい

劣化させたままだと、どうなる?

外廊下の床抜けの兆候

モルタル床からの浸水を放置すると、内部の鉄骨腐食が止まらず、最終的には強度を失って
床ごと抜け落ちます。この手の人的事故は、築30年以上の建物に多いようです。

参考:また起きた、札幌でアパート2階通路床が崩落:ウチコミタイムズ

では、どのような方法で、劣化したモルタル床を補修するのかを、写真付きで解説します。

目的と手段をシンプルにして補修費用を設定

足場を使ってバルコニー鉄骨下地を解体調査
まず、補修の目的を整理します。

モルタル床面からの浸水を抑えて、鉄骨をサビ腐食から守ることが補修工事の目的です。理由は「雨水が床面から浸入すると、鉄骨が内側から腐食し、階段全体の強度が低下して事故リスクになるから」。

補修費用を抑えるためには、この目的以外の工事作業をそぎ落としていくことが必要です。オーナー様による因果関係がの把握がコスト節約に大きくつながります。

「業者に投げっぱなしは危険!」です。目的と手段をできるだけシンプルにしないと工事費用は膨らんでしまうばかりです。

実践:補修工事 ~鉄骨編~

補修工事の準備をします。

床を囲う鉄骨に腐食が見つかっているので、この鉄骨を補修しないといけないのですが、床面の耐水対策を一緒にするなら、簡易的な鉄骨補修で解決できます。

外階段の溶接補修その1

既存の腐食した鉄骨の外側から、新たな鉄骨をかぶせて補強します。鉄骨を交換しないで済むので、コストを大きく抑えることができます。

外階段の踊り場コンクリート(モルタル)と手すり枠鉄フレーム

ほか、腐食した手すりフレームを直したり・・

外階段の溶接補強その2

踊り場の床鉄骨を、斜めに支える梁を増設して強度を復旧したりと、最低限の延命措置をしておきます。

実践:補修工事 ~耐水編~

外階段のコンクリート(モルタル)段板

外階段のモルタル床を浸水から守るための耐水工事を始めます。

既存のモルタルの状況をよく確認、点検しながら、水性エポキシを使って亀裂処置、その後はコテで均して、耐水のための長尺シートを敷設していきます。

参考:長尺シートのタキストロン:タキロンシーアイ

踊り場のコンクリート(モルタル)にはタキストロン

階段(段板)のコンクリート(モルタル)にはタキステップ

弊社では、耐水効果を生むアイテムとして、長尺シートをお勧めしています。
理由を箇条書きにします。

  1. 工期が短い:
    10Mくらいの廊下なら数日で終わる
  2. 居住者負担減:
    従来塗膜のような乾燥期間がない。工事後すぐ使える
  3. 防滑性能:
    シート表面の凸凹模様で、耐水以外の効果も
  4. 長寿命:
    端部シールを維持すれば15年以上使えることも

とくに、「生活」をとめられないアパートでの補修工事では効果的で、かつ、中長期的なコストパフォーマンスが高いです。

また、施工店としてお伝えする「長尺シートのメリットやデメリット」もご参照ください。

外階段の鉄部補修と床面補修

これで、鉄骨補修と耐水工事が終わりました。この階段もまだまだ現役!15年以上使えます!(定期的メンテナンスは必要です)

工事費用はどれくらい?

補修工事は「現在のダメージ状況」「今後の維持年数」によって工事範囲も内容も変わってくるので、明確なお示しは難しいです。

例えば

  • 廊下の鉄骨溶接補強工事で3日かかるレベルの腐食
  • 廊下の長さ10Mくらい
  • 廊下に足場をかけて鉄部塗装と耐水工事

上記のようなスケール感で考えれば100万円前後になるこごが多いです。
全面交換工事の相場から50%~70%くらい安いイメージです。

延命で考えるなら、延命専門店へ

補修工事足場仮設

補修工事で大切なのは、効果と費用だと思いませんか?

闇雲に補修範囲を広げても費用が無駄になるし、居住者様の生活動線にも不便がかかります。

人的被害を抑止して何年使うか。財源をどう管理するか。このテーマは、アパートオーナー様が等しく抱えるお悩みです。

鉄骨設備を丸ごと交換するおつもりであれば、弊社より建設会社様が適切です。もし、延命補修をお考えであればお気軽にご相談ください。

要約Q&A

Q:階段のモルタル床が劣化すると、どんな症状になる?
A:数十年放置している場合、表面に小さなヒビ(クラック)や長い亀裂が入る可能性が高いです。内部の鉄骨の腐食して、床が抜けるなどの事故も報告されています

Q:補修工事の最も重要な目的はなに?
A:モルタル床面への浸水を抑え、内部の鉄骨をサビ・腐食から守ることです。これにより、階段全体の強度低下と事故リスクを防ぎます

Q:補修費用を抑えるコツは?
A:補修の目的(浸水を防ぎ鉄骨を守る)と手段をシンプルにすることです。この目的以外の不必要な工事作業をそぎ落とすよう、業者任せにせず因果関係を把握することをお勧めします

Q:鉄骨の腐食が見られる場合、どのように補修するの?
A:鉄工所は、鉄骨の交換を避け、既存の腐食した鉄骨の外側から、新たな鉄骨をかぶせて補強するなど、コストを抑えた簡易的な延命措置が可能です

Q:補修工事の費用目安はどれくらい?
A:ダメージ状況や維持年数で変わりますが、例えば長さ10M程度の廊下で、足場をかけて、鉄骨溶接補強と長尺シートによる耐水工事を行うと、100万円前後になることが多いです。これは全面交換工事の相場より50%~70%ほど安いイメージです

Q:延命補修と全面交換、どちらを選ぶべきですか
A:延命工事は既存構造に肉付けする工事であるため、長い期間(例えば25年以上?)を延命することは困難です。丸ごと交換を考えているなら建設会社へ、費用を抑えて人的被害を抑止しつつ、10年~15年程度を延命させたいとお考えであれば、延命専門の業者への相談が適しています(例えば弊社)