この記事でわかること:
屋外鉄骨階段に、経年劣化したゴムマットを敷いたままだと起こる腐食リスクが写真付きでわかります。腐食している場合の補修方法も写真付きで解説しています。

アパートの外階段に何年も前から敷いている古いゴムマット。「まだ使えるから」とそのままにしていませんか?
実は今この瞬間も、マットの下で階段がサビに侵食されている可能性があります。
目次
硬くなったゴムマットの下は「サビ天国」?

なぜゴムマットの下でサビが急速に進行するのか?
年月が経過したゴムマットは硬化して弾性を失い、段板から浮き上がってきます。また、マットの両端部に浸水対策のコーキングをしていても、8年前後でコーキングも固くなり破断することがあります。
これらのわずかな隙間に、雨水や湿気が侵入して、マットと鉄板の間に湿気が残り、乾燥しないまま停滞します。結果として、マットに覆われた部分だけが集中的に腐食していきます。
また、厄介なのは、この現象を外見では全くわからないことです。普通に使っていたのに、急にグラグラするようになったかと思えば、時間もかからずステップ(踏板)が外れたというトラブルも起きています。
マット下の腐食を放置するとどうなるか

古いマットのまま放置すると起こるトラブルの可能性は下記です。
1. 踏板とアングルピースの急速劣化と欠落リスク

- 段板の鉄板がサビで穴だらけになる
- 段板を支えるアングルピースも腐食で無力化、すでに外れていることも
- 荷重に耐えられず踏板ごと欠落する危険性
- 実際に踏板が外れてしまったツイート例(下記引用)
弊社従業員の家族が住むアパートで、奥さんが赤ちゃんを抱っこして階段を降りていた時に7段目が崩れて転落し、奥さんと赤ちゃんが怪我したのに管理会社は「治療費のみで示談にしてほしい」と言ってるけどさすがに慰謝料請求できるよね? pic.twitter.com/pbvAPuTTDi
— LEON (@Leon__parsa) October 7, 2025
2. 入居者様・配送業者・第三者の転落事故

実際に階段の腐食による転落事故は発生し、ニュースでも報道されています。このような事故が起きると、オーナー様の管理責任が問われ、損害賠償責任の発生する可能性があります。
3. 踊り場の構造的な危機
階段だけでなく、踊り場でも経年劣化したゴムマットの影響で腐食が進行します。重要な構造部分が損傷すると、塗装でごまかせるレベルではなく、緊急の溶接補強が必須となります。
コストで考える、放置リスクと早期対応

屋外階段の錆びトラブルは放置厳禁ですが、コストという側面でも比較検討してみます。「今やるか?様子を見るか?」の工事費用の差です。
放置した場合

- 階段全体の交換が必要になってしまうリスク
- 錆びは進行し続けるので、工事費用は数倍に膨らむ
- 工事規模が大きいほど、入居者様の生活負担が増える
早期対応の場合

- 腐食部分の溶接補強だけで解消できる可能性が高い
- 階段の丸ごと交換よりはるかに安価で済む
- 入居者様の生活負担は大幅に軽減
実践:屋外階段の再生修繕工事

人的被害の要因にコストを絞って、再生工事をした施工例を写真付きでご紹介します。
重度の腐食箇所を溶接補強



踏み抜いてしまうリスクのある鉄板を交換したり、支えるフレームを増設するなど、溶接を使って、既存の屋外階段を活かして強度を底上げしていきます。
防錆塗膜+ウレタン塗膜で、鉄骨コーティング

鉄骨の塗装の目的は「色を付ける」のではなく、「酸化(錆び)から守る」という、コーティング塗膜の役割です。
鉄部塗装の塗り替え時期は8年前後です。色がついているから大丈夫ということではなく、塗膜の機能が劣化(チョーキング)してくるので塗り替えをお勧めします。
長尺シートで耐水対策

仕上げの塗装(上塗り)が終わったところで、最後の仕上げが長尺シート(タキステップ)による耐水保護です。これで外階段は大幅に延命できます。


鉄部腐食はお気軽にご相談を。
鉄部の延命補修工事を専門とする鉄工所として、私たちは数多くの「もっと早く相談していれば…」というケースを見てきました。
「ゴムマットがあるし安心かな・・」と思っておられる建物オーナー様。ゴムマット自体は歩行音を減少させたり、防滑アイテムとして有用ですが、古くなったゴムマットは逆に階段を傷めてしまう可能性もあります。鉄骨の延命工事はお気軽にご相談ください。
要約Q&A
Q:古いゴムマットを敷いたままにすると、なぜ鉄骨階段に良くないの?
A:長期間(10年以上)使用されたゴムマットは経年劣化で硬化し、段板との間にわずかな隙間が生じさせます。そこから侵入した雨水や湿気がマットの下に閉じ込められ、乾燥せずに停滞することで、集中的に腐食する可能性が高いからです
Q:マット下の腐食を放置すると、どうなる?
A: 踏板やアングルピースが突然脱落する恐れがあります(構的造リスク)。また、使用する人が事故に遭うとオーナー様の管理責任(損害賠償)が問われる可能性があります(法的リスク)。また、放置するほど腐食が進行するので、時間経過とともに工事費用がかかります(コスト的リスク)。
Q:補修をすると、何年延命できる?
A: 蓄積した腐食ダメージや、補修グレードによって延命目途が変化します。ただし、30年以上の延命を目指そうとする場合は、将来の予見が立たず、補修工事で解決しないことが多いです。
Q:補修をすると、いくらかかる?
A: 蓄積した腐食ダメージや、補修グレードによって費用が変化します。とはいえ、相場目安として、設備全体を交換する工事の20%~50%程度で済むことが多いです。
Q:補修工事の期間はどれくらい必要?
A:補修グレードによって変わります。こちらも目安ですが、アパートの屋外階段の補修工事においては、鉄骨溶接補強で3日前後、鉄部塗装で3日前後、耐水作業で3日前後。天候不順や進捗対応の予備期間を加えて10日~14日程度の工期が、ひとつの相場といえます。
