この記事を読んでいただきたい方:
「鉄骨階段や廊下にサビが出てきたが、修理できるのか/費用はどれくらいか/どんな工法があるか知りたい」という建物オーナー様向けに、補修の優先事項・見極めポイント・工法の選び方を解説します。
目次
まず確認!「ササラ桁の強度」が補修方針を左右する

アパート・マンションの鉄骨階段・外廊下のサビが気になっていませんか? 補修方法は一律ではありません。建物の今後の運用年数によって、最適な工法も費用も変わります。 東京三鷹市で半世紀以上営業している横山鉄工所が、現場目線で解説します。

鉄骨階段の補修を検討するとき、弊社が最初に確認するのはササラ桁(ささら桁)の残存強度です。 ササラ桁とは、階段の踏み板を両側から支える主要な骨格部材のこと。 ここにどれだけ強度が残っているかによって、「補修で対応できるか」「交換が必要か」が決まります。
踊り場の鉄板が薄紙のように腐食していても、ササラ桁の強度が残っていれば補強工事で延命対応できる可能性が高いです。逆に、ササラ桁自体が大きく損傷している場合は工法の選択肢が限られます。
✅ササラ桁のダメージなし→ ササラ桁をそのまま再利用した補修工事で延命対応。
✅ササラ桁のダメージあり→ ダメージ具合から補強方法を修正。延命工事を実施
✅ダメージが修復不能な程度→ 鉄骨設備の交換工事(当社では最終手段)
参考:ササラ桁のダメージに応じた、いろいろな選択肢(工法)
・ササラ桁のダメージなし→参考(1):ササラ桁をそのまま再利用した簡易的な補修工事
・ササラ桁のダメージあり→参考(2):ササラ桁に補強を行った鉄骨延命工事
鉄骨が「錆びる」・「腐食する」ってどういうこと?

建物外部に設置された鉄骨は、雨水(水分)と酸素が反応することで酸化鉄(サビ)が生成されます。 サビは鉄の体積より大きくなるため、周囲の塗膜や溶接部を内側から押し広げ、さらなる腐食を招く悪循環に陥ります。
鉄骨が錆びていく流れ
雨水対策をせずに溶接補強だけをしても、サビは再発します。 長期維持を目指すなら、強度回復の補修と雨水の侵入経路を断つ工事をセットで行うことが重要です。
補修工事は「人的被害の回避」が目的

鉄骨補修工事の根本的な目的は、「ケガなく安全に利用できる状態を維持すること」です。 美観の回復や資産価値の向上はその次の話であり、蓄積されたダメージによって外観の回復には限度があります。
腐食が進んだ鉄骨階段・廊下は、踏み板の抜け落ち・手すりの外れ・廊下床の陥没といった重大事故のリスクを抱えています。 まず「人が安全に使える状態」に戻すことを最優先に、工法と予算を考えます。
以下、工事前の写真です。



横山鉄工所の補修工事は、一般的なリフォーム工事とは異なります。サビ腐食していても、「まず作り替える」という選択肢は最後の最後にします。補修不能と判断したときのみ交換をご提案します。それ以外はオーナー様のご予算・運用方針に合わせた補修工法を提案します。
「あと何年もたせるか」で補修方針が変わる

鉄骨補修において「何年維持するか」は費用対効果に直結します。
数年後に大規模改修・取り壊しの予定がある建物に高額な延命工事を施すのは合理的ではありません。 反対に、10年・15年と使い続ける建物に応急処置だけを施すと、数年後に再補修コストが発生し結果的に割高になります。
Q:「残り3年で解体予定のアパートだが、今の鉄骨階段が心配」のオーナー様?
A:維持する期間を考えると、大掛かりな延命工事は費用対効果が低くなります。最低限の安全確保ができる応急補修をお勧めします。腐食が危険なレベルに達している箇所だけを溶接処理し、コストを最小限に抑えます。
Q:「まだ10〜15年は使い続けるつもりの物件。サビがひどくなってきた」のオーナー様?
A:サビの原因(主に雨水の浸入)を含めてた延命補修をお勧めします。溶接による強度回復+雨水対策+塗装のセットで、サビリスクを大きく下げられます。長期的な目線だとこの方がコストパフォーマンスに優れており、場当たり的な工事をすると費用損になることが多いです。
延命補修でカバーできる代表的な処置内容

| 補修内容 | 目的・効果 | 留意点 |
|---|---|---|
| 腐食部の切除・除去処理 | 劣化した部分を切除して、新しい材を接合可能な状態にする | 切除後の断面処理、段差や応力集中に注意 |
| 溶接による補強・肉厚付加 | 薄くなった断面を補強材で補填する | 熱による変形の管理、溶接品質の確保 |
| 鉄部塗装 | 鉄部の酸化を防ぐため、鉄部表面に塗膜をつけて経年劣化を軽減する | 旧塗膜の状態、下地処理の丁寧さが効果に直結 |
| 部分交換(プレート補填など) | 被害が大きい個所だけを交換し、全体を維持 | 接合部の耐久性確保、施工精度の確保 |
| 補強材併用(リブ・L字材など) | 劣化部とは別構成で補強を併用し、強度を回復 | 余剰応力や荷重伝達の見直しが必要 |
腐食の進行度・維持年数・予算に応じて最適な組み合わせを選定します。また、お見積前には露出していなかった腐食が出てくることも多く、工法を適材適所に修正していくことが求められるのも、鉄骨補修工事の特徴です。
段階別3つの補修工法と費用感

横山鉄工所のホームページでは、たくさんの鉄骨補修の工事例をご紹介していますが、鉄骨のダメージ具合や維持年数の目処によって段階別に3種類の補修工法に分けています。どの工法を選ぶかはオーナー様の運営方針次第です。
維持年数別の工事の選択肢
段階1:「とりあえず」の鉄骨補修。残り数年の維持を目途に。
最低限の安全確保を目的とした応急的な補修です。構造的に危険な箇所のみを溶接・処置します。塗装を省略(オーナー様が塗装?)することもあります。
・費用を最小限に抑えたい場合
・数年以内に解体・大規模改修予定がある場合
・とりあえず安全だけ確保したい場合
・工事費用は30万円以内となることが多い(規模による)
⚠️ サビの進行は抑えられません
段階2:鉄骨強度の現状復旧工事。残り10年の維持を目途に。
現在腐食している箇所を溶接補修して、暫定的に強度を回復させます。この状況を維持するための保護塗膜をしたりします。サビの発生源を断つ作業は含まないため、コストを抑えられます。
・中期的な維持を考えている場合
・全体の延命より今の問題箇所の解決を優先する場合
・工事費用は70万円以内となることが多い(規模による)
⚠️ サビの発生ルートは残ります
段階3:延命補修。残り10年以上の維持を目途に。
溶接補強+雨水対策+防錆塗装をセットで実施し、サビ腐食の原因から補正していく延命工事です。長期運用を見据えたオーナー様に最も多く選ばれる工法です。
・長期間(10年超)使い続ける予定がある
・サビの再発を防ぎ、維持コストを下げたい
・入居者の安全・安心を長期で確保したい
・工事費用は100万円前後となることが多い(規模による)
✅ 費用対効果が最も高い
例えば、サビ穴も開いておらず、鉄表面にじわっとサビがある程度ならDIYで錆び補修も選択肢です。 くどいようですが、階段の全交換は金額的にも生活負担的にも選びたくない最終手段です。
補修工事の Before / After
鉄骨補修工事の工事前と工事後の写真を並べました。








いかがでしたでしょうか。
「何年使うか」という計画が補修工法の出発点。同時に、人が安全に利用できる状態を最優先にして、無駄(投資効率が低い)なコストを抑えた工事でお考えなら、横山鉄工所はオーナー様のベストパートナーになれると信じています。
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まとめ、関連ページ
横山鉄工所は、強度維持にリスクのある腐食部補修をしてから保護塗装(防水耐水)を施工します。「安全性の復旧」を優先に、コストパフォーマンス重視の延命補修をご提案します。
ご資産管理をされるオーナー様にとって、最適なパートナーでありたいと考えております。
要約Q&A
Q:鉄骨階段のサビ補修にかかる費用の目安はどのくらい?
A:腐食の範囲・進行度・選ぶ工法によって大きく変わるため、一律の金額はご提示できませんが、弊社で請け負う工事は30万円を切るようなケースもありますし、おそらく一般的なリフォーム工事(交換工事など)の半額以下になることが多いです。ただし、そのコスト差と効果にについては慎重にご検討いただければと存じます。お気軽にご相談ください。
Q:他の業者に「手に負えない」と断られましたが、対応できる?
A:こちらもよくご相談をいただきます・・。特殊なシチュエーションなので断られることが多い内容ではありますので。一方、弊社は鉄骨強度を失った設備の溶接工事の施工店で、いつもは建築会社様の下請けとして工事をしておりますのでご対応できる可能性があります。ただしダメージが修復不能なレベルの場合は正直にお伝えします。
Q:塗装だけではサビは解決しない?
A:腐食しきってしまった鉄骨の内部は、その肉厚や接合部にまでサビが進行していることが多く、塗装だけでは根本的な解決にならないことが多いです。また、塗装する前の補正措置(ケレン)も業者によって精度や熱量が異なるため、業者選びには慎重に・・。
Q:工事中も入居者は階段を使える?
A:工事の進め方によって異なります。現場の状況に応じて、入居者様への影響を最小限にする工程を組みます。詳しくは現地調査時にスタッフまでご相談ください。
Q:対応エリアは?
A:東京都・神奈川県北部・埼玉県南部が対応エリアです。弊社は小さな施工店なので、遠方の工事を承ると工事の精度や周辺工事の段取りに影響が出るため、エリアを絞ってご対応しております。浅く広く工事を請け負うことはお客様に申し訳が立ちませんので、どうかご理解くださいませ。
