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バルコニーの腐食を救う工事|横山鉄工所

この記事を読んでいただきたい方:
お使いのバルコニーが腐食してお困りのオーナー様向けの記事です。「バルコニーを交換せずに修理する延命方法」をご紹介します。

腐食バルコニーを救う工事

お使いのバルコニー腐食に困ったとき、対処方法や専門業者がわからず「放置」されていたり、リフォーム屋さんから「交換」を提案されてコスパに悩むオーナー様もいらっしゃると思います。外観はともかく既存のバルコニーを壊さず使えないだろうか・・と。

・・「餅や餅屋」ですオーナー様。きっと直せます。まずは現地を拝見しますのでお話を聞かせてください。

バルコニー腐食状況を確かめる

腐食バルコニーの調査(現状)

まずは腐食でお困りのバルコニーを拝見します。修理で解決する場合はバルコニーの構造状況を確認しつつ、どこが「テコ入れ(補強)ポイント」なのかをじっくり観察します。

また、補強方法には「松竹梅」があります。あと何年バルコニーを使うのか?という将来計画です。維持希望年数が長いほど補強範囲も変わりますし、そもそもの補強方針すら変わります。

腐食したバルコニーの裏側(床板が見えている)

バルコニーを下から覗くと床面の裏側が見えますね。腐食が進んでいることがわかります。でも下からではあまり様子がわからないため、バルコニーに上がって状況確認します。

床鉄板の腐食サビを確認

上から床鉄板を確認すると、鉄板がちぐはぐに並べられておりました。オーナー様にお聞きすると「バルコニーを改造(増設)した時期によって鉄板を改めて敷いていた」のだそうです。

現状では歩くと床がブカブカして心配とのこと。たしかに床鉄板の一部は下地から剥がれていて少々危険です。

どうやって延命させるか(イメージ図)

修理前の現状バルコニーのイメージ

上記が「現状バルコニーの断面図」です(私のパソコン技術は素人です!)。赤い矢印のところが腐食がとくに著しいところ。しかしながらバルコニーの柱はまだ健在であったため「柱を基点に延命作戦」を決行します。

延命後のバルコニーのイメージ

腐食で強度を失っている部分だけを交換する延命プランです。青い部分が重要な改修箇所となります。※もちろんココ以外にも細かに補強をしますがこの記事では省略します。

腐食した鉄骨の例

まずはバルコニーの床鉄板を解体します。すると鉄板に隠れていた鉄骨の腐食をあちこちに確認できます。ぱっと見ではわかりづらい所が腐食している点が注意です。「外見ではそんなにサビてないかも」と思っても、部分解体すると想定外な腐食に驚くことがあります。

根太鉄骨の腐食穴

こちらは床鉄板を支えていた「根太鉄骨」というところです。この腐食穴は鉄板を剥がしたときに初めて確認できます。

鉄骨補強工事の溶接工法

補強鉄骨

「朱色の鉄骨」がありますがコレが今回の工事で増設している「補強鉄骨(工場で製作してきたパーツ)」です。

このように、強度を失った既存の鉄骨に対して「添え木」のような形で新しい鉄骨材を溶接することが溶接補強の基本となります。

腐食部だけを除去した鉄骨

こちらは腐食した部分を除去する工法です。鋼材によってはこのように「全除去」ではなく「部分除去」も可能です。

除去した腐食部を復活させた鉄骨

除去した部分を新たに「肉付け」して健全な骨材に戻します。現地での溶接作業ならではのテクニックです。現状バルコニーの構造を維持しつつ補強を加えていくため、既存構造へのダメージを最低限にして補強を進めることができます。補強工事では重要な視点です。

根太鉄骨の補修工事完了

根太鉄骨補修風景です。床鉄板が剥がれた状態を目視できるのはオーナー様からすると貴重なタイミングですね。奥で重ねているのが新しい床鉄板です。

床鉄板の張り替え準備完了

バルコニーの床鉄板

バルコニーの鉄板を新しく敷き直して、根太鉄骨とも溶接固定します。予め寸法通りにカットした鉄板を並べるのでキレイに敷かれています。

水切り曲げ

敷き直した鉄板の端部は「やや外に出て下方向に曲げ」ています。これを「水切り」といいまして、床の水がバルコニー構造鉄骨につたわないような工夫のひとつです。

バルコニーを下から見上げるた写真です。敷き直した床鉄板、補強した根太鉄骨、強度補強をした筋交鉄骨が見えます。これらを全てケレン(付着したサビを削り取る作業)のうえ防錆塗装を行っています。

長尺シートで耐水します

鉄板にタキストロン施工

バルコニー床が整備されたところで、上から長尺シートを施工します。目的は鉄板を外気や雨水から守ることで腐食要因を無くすこと。

さらに良いこともあります。シートの表面が凸凹しているので雨天時でも滑りにくいこと、直接には鉄板が熱さが来ないこと、また外観もオシャレになります。

タキボンド

下地処置のうえ、純正のボンドをまんべんなく塗布します。

バルコニーのタキストロン施工工事

ベージュに見えているものが長尺シート(タキストロン)です写真の左側に鉄板がまだ見えていますね。わかりやすいようにシートを折り曲げて撮影しています。。厚さ2.5mmの複層ビニール構造です。

バルコニー長尺シート工事の前後写真

長尺シートの敷き設が終わりました。右下が工事前の状況です。強度も機能も印象も大きく変りました。オーナー様にもご満足いただけて良かったです。

バルコニー長尺シートの各称

バルコニーの端部を拡大した写真です。長尺シートと鉄骨梁材の間にシーリングをしております。鉄骨材を長く使っていくために「シーリング剤の劣化(7年前後)」を注視なさってください。シーリング剤が劣化するとココから雨水が浸入してしまいます。

ちょうど鉄骨の塗り替えのタイミング(7年前後)で確認されると良いと考えます。

バルコニーの鉄骨腐食を救う工事が完了

鉄骨バルコニー(1)

鉄骨バルコニー(2)

今回の補修工事では「鉄骨補強 / ウレタン塗膜 / 長尺耐水」でバルコニーの延命工事となりました。オーナー様からもご信頼いただき、通った職人も笑顔でした。ありがとうございました。

バルコニーの腐食でお困りのオーナー様、ご連絡をお待ちしております。

【参考】鉄骨バルコニーの根太鉄骨交換工事

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【参考】鉄骨バルコニーのデッキプレート補強工事

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