この記事を読んでいただきたい方:
ご自宅の鉄骨ガレージがサビでボロボロになってしまったオーナー様向けの記事です。修繕することで見事復活させるまでをご紹介します
「自宅のガレージがサビてボロボロに。工務店さんに相談したけどお手上げされてしまって・・」とご相談いただきました。
鉄骨ガレージの修繕方針を決定する打合せ
「他所に相談したけど回答内容に納得がいかない」とご相談をいただくことがあります。もしかしたら、事前の打合せが不足していたのかもしれません?
単純に、「困っているので修繕したい」と見積依頼をしてしまうと、業者によって見立ても費用も違う回答になることがあります。理由は「修繕範囲(修繕のゴール)を業者が共有できていないから」です。大事なのは修繕後の展望をオーナー様と業者が共有することです。
オーナー様には30分前後のお手間を頂戴することなりますが、この打合せを踏まえることで、オーナー様自身が「修繕内容の見積」を的確に理解できます。
打合せの結果、重点的に修繕する箇所を決めます。修繕は、やろうと思えばどこまでもやれてしまうので「選択と集中」が大切です。ここで選択の基準となるのが前述の修繕方針です。ここがブレてしまうと、まとまりのない修繕工事になります。
まずは鉄骨ガレージの屋台骨である「胴差鉄骨」に注目。ガレージの構造部でありながら穴だらけになっており、強度を保てない状況なのでココを直します。
次に、2階部分のガレージ床(プラデッキ)もかなり老朽化しているため、安心して使えるように修繕を行います。
最後に、ガレージの寿命とは直接関係がないけれど、隣地の方とのご都合があるとのことで、ガレージ側面の目隠し波板の交換を行います。写真は施工前の状況です。
大きな修繕ポイントは上記の3つですが、ご依頼されるオーナー様によって修繕ポイントは異なります。あくまでも、お住まいになるオーナー様の今後の利用シーンに合わせて修繕ポイントが決定します。
修繕工事 ~胴差鉄骨編~
ガレージの奥まで伸びる「通し梁(とおしばり)」を増設します。全長で10Mくらいあります。
この「通し梁」が腐食で弱ってしまった「胴差鉄骨」の代わりになって、ガレージの床を支える役目を果たします。通し梁がたわまないようにスチフナというパーツを組み込んであります。
通し梁が完成したあとは、役目を終えた胴差鉄骨を撤去します。
増設した「通し梁」は、「既存の柱」「既存の横梁」と連結することで新たな構造ラインになっています。
この工事は、既存の柱や横梁の強度が健全であることが前提の修繕方法なので、すべてのケースに対応する工法ではありません。現場に応じて適切なプラン立てが必要です。
※ほかにも多くの箇所に鉄骨修繕を加えていますが、ここでは割愛します
修繕工事 ~床デッキ工事~
古くなった床デッキ材(プラデッキ材)を撤去した後、合わせて劣化していた「床の下地鉄骨」の交換をします。鉄骨が交換されると、床デッキ材がしなったり、たわんだりする危険を回避します。
新しい床デッキを張り直しました。これで安心して洗濯物も干せますね。
修繕工事 ~目隠し波板編~
ガレージ側面の、古くなった目隠し波板を撤去しました。(ちなみに、波板が固定されていた胴縁鉄骨も全て補修してあります)
新しく張り替えた目隠し波板はスモークタイプにしてすっきり見せています。鉄骨の塗装色(ブラウン)と合わせた配色にしてあります。
修繕工事 ~塗装編~
鉄骨補修工事の塗装工程は必須です。なぜなら「鉄骨の塗装」というのは「鉄骨に色を付ける」ものではなく「鉄骨を外気(雨水)から守る」ためだからです。
短期の延命であればオイルペンキで簡単に済ますこともできます(オーナー様が塗装して工費節約することもあります)が、10年、15年、それ以上・・とお使いになる展望がある場合は必ずケレン作業(鉄部表面のサビを除去する作業)のうえ、防錆塗膜、ウレタン塗膜を施すことをお勧めします。鉄骨の耐久性が違います。
防錆塗装はケレンと共に修繕箇所ごと、全体に塗膜をつけます。1回塗りです。
防錆塗膜が乾いたところで、ウレタン塗膜を付けますがこちらは2層にします。まずは1層目。
最後にウレタン塗膜2層を付けて完成です。鉄骨は外気(雨水)から守られ大幅な延命効果を得ます。
また、既存鉄骨が内部に腐食を残している場合は、ウレタン塗膜からサビ垂れが滲んでくる場合がありますが、塗膜効果は健在です。
鉄骨ガレージが見事に復活
修繕工事が終わって復活した鉄骨ガレージ。オーナー様にもご満足いただけました。
こちらの鉄骨ガレージのある建物は築40年近い建物でした。建物の残り維持年数までしっかりと寄り添う鉄骨ガレージに復活できました。
鉄骨ガレージのサビ腐食で修繕をご検討のオーナー様、ご連絡ください。
参考:ガレージ天井のデッキプレート腐食を補強する工事